こまメモ

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相手の要望を一歩掘り下げることはソフトウェアを作るとき以外でも大事

「顧客は自分の欲しいものを本当にわかってはいない」という常套句がある。ソフトウェア開発をするときに、「こういう機能が欲しいんですよ」という顧客の要望をそのまま実装するのではダメで、「顧客が解決したい課題は何か?」「顧客は何に困っているのか?」などと掘り下げることが大事だ、ということは、ソフトウェア開発の分野ではしばしば主張される。

以上のようなことは、だいぶ体に染み付いてきて、これから何か作ろうというときに、一足飛びに機能を考えてしまうというのは減ってきている気がするのだけれど、ひとたびソフトウェア作りというところから離れると、他人の言っている要望(「こうしてほしい」「これはやめてほしい」)を「はい、わかりました」と素直に受け取り過ぎていることがあるなと思う。

要望を伝え合うということは、仕事上でのコラボレーションでは常に起きていることで、もちろん最初からクリアに伝えられることもあるのだけれど、お互いの背景をあまり把握せずに話をしていると、防御的なラインの引き方をしてしまって、本当はもっと別の解決策があり得た場面で、お互いにとって不満が残る結果になってしまうことがある。

自分が何かを提供する立場にある場合、それを要求してくる人(広い意味での顧客)からの要望を聞き取るときには、背景まで含めて理解するという習慣は(ソフトウェア開発の延長線上で)持ちやすいが、何かを提供してもらう側のときに、それを提供する側の都合を理解するというのもまだ大事なのだと思う。